はじめに
どーも不定期更新のガジェットぺろぺろです
最近、自宅のミニPC:Beelink SER5(Windows 11)を使って、Hyper-Vでラボ環境を作り、外出先からリモートデスクトップ接続できるようにしました。
ただ、問題が一つ。
常時起動していると夏場にPCが激アツ!
室温34度の部屋で常時稼働はさすがに心配…。
ちなみに、22時でこの温度です。昼間は室温が34度を超えます

仕事が終わって、パソコンに触ってみたら、熱っつ!!
温度を測ってみたら43度

Core Tempで測ってみたらCPUの温度が67℃
これはやばい・・・壊れるかもしれない

そこで、「使うときだけ遠隔で電源を入れることができないか?」と思いました。
色々と調べていると、WOL(Wake on LAN)という技術を使えば、遠隔で電源ONできるらしい。ということで挑戦しました。
目指す構成:外出先から安全に起動したい
WOLを使うには、ネットワークに繋がっていて、なおかつ常時電源が入っている機器が必要。しかも熱に強く(発熱しづらい)、昼間は涼しい場所にある機器
そんな、都合の良い機器があるわk・・・と思ったら、あった!!
こいつや!!

我が家には、SynologyのNASがあります(自分でキットを買って組み立てたやつです)
こいつをうまく活用して、踏み台に使えないかと思いました。
構成としては以下のような感じ
- NAS(Synology DS220j) は常時稼働中
- 外出先からは Tailscale VPN経由でNASにSSH接続
- NASから WOLパケットをミニPCに送信して起動
- 起動後はRDPでリモート接続
構築準備:WOL環境の構築開始!
🔧 WOLの前提条件を確認
まずはそもそもミニPCがWOLに対応していないと始まりません。ミニPCのBIOS(UEFI)でそれらしき設定はないかと探してみたのですが、特になし
そこで、デバイスマネージャーでNICの詳細設定を確認すると、発見!!
Wake on Magic Packetの項目があります。

あとは、cmdのipconfig でMacアドレスを確認したらミニPC側の準備はOK
テストしてみる
まずは、マジックパケットを使ってミニPCの起動ができるかLAN環境でスマホでテストしてみました
使ったのは、以下のアプリ。

設定は、デバイス名、マジックパケットを送るNICのMACアドレス、宛先Ipアドレス(私はブロードキャストアドレスにしました)
あとは、監視対象のIPアドレス

あとは、このアプリのGUIの電源ボタンを押すと・・・
起動した!!
ということで、ミニPCをマジックパケットで起動させることに成功しましたー!!

次に、SynologyNASにTailscaleを導入します
Tailscaleパッケージを落とすことができるサイトがあります
https://pkgs.tailscale.com/stable/
パッケージを落としたら

NASにアップロードして、手動でインストールを実行します

NASのStoreじゃなくて、パッケージインストールなので警告が表示されます

最終確認をして、完了ボタンを押します

途中経過は省きますけど、画面の指示に従って、アカウントでログインしたら
無事にsynology ds220jがtailscaleに接続できました。これで、自宅のNASに外出先からアクセスが可能となります。

一覧にもTailscaleのロゴが表示されました

次に、SSHで接続ができるように、コンパネからSSHサービスを有効化します。

スクリプト作成:NASからWOLを送る
Tailscale経由でNASにSSHログインし、以下のようなWOLスクリプトを作成しました。
bash
#!/bin/sh
/usr/syno/bin/synonet --wake 00:11:22:33:44:55 eth0
MACアドレスはBeelinkの有線LAN。
NASのインターフェースは eth0
だと思ったのでそのまま指定。
bash
chmod +x wol-ser5.sh
いざ実行!…でも…
bash
sh wol-ser5.sh
何度やってもエラーで失敗します

いったん断念。原因はDSMの制限か?
Synology NASの多くの操作は DSMの内部で動く専用ユーザーやrootに管理されていて、SSHから自由に使えるコマンドには制限があります。
特にARM系CPU搭載のJシリーズ(DS220jなど)は制限が多いようです。
x86CPU搭載のNASでは動いたという情報もネットで見ました
私が買ったNASは対応していない・・・っぽい
残念!!
まとめ:得られた学びと次の一手
今回の構築でわかったこと:
- Synology NAS(特にJシリーズ)ではWOLコマンドに制限がある
- DSMからではroot実行もややこしい
- Tailscale導入はスムーズだったので、VPN環境の基盤としては活用価値あり
次回予告:ラズパイの出番!
実は数年前に購入して放置していた Raspberry Pi 4(8GBモデル)が手元にあります。

今回の件で、
「これ、ラズパイ使えば秒でいけたんじゃ?」
と気づいてしまいました
ということで、次回はこのラズパイをWOL中継機として活用する構築編をお届けします!
Synology NASキット 2ベイ DS223j/G【ガイドブック付】 クアッドコアCPU搭載 1GBメモリ搭載 ライトユーザー…
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